声をかけるのが苦手な人でも大丈夫!展示会で自然に話せるトークスクリプト

展示会ブースで“話しかけられない”のはなぜ起きる?

来場者の心理:「あまり話しかけられたくない」?

展示会ブースで、来場者がスッと目をそらして通り過ぎていく──。
そんな経験、あるのではないでしょうか。

「自分たちのブースに興味がないのかな…」と思ってしまいがちですが、実は来場者側にも“話しかけられづらい理由”があることをご存じですか?

多くの来場者は、下記のような心理状態にあります:

  • 「ちょっと見たいだけだから、営業されたくない」
  • 「興味はあるけど、まだ話すタイミングじゃない」
  • 「資料だけもらいたいけど、話しかけられるのが面倒」

つまり、「話しかけられたくない」わけではなく、「今は話したくない」だけというケースが多いのです。

実際、展示会に関する調査でも、来場者の6割以上が「ブースで声をかけられることに抵抗を感じる場面がある」と回答しています(※1)。

そのため、無理に声をかけるのではなく、“話しかけられても自然に感じるきっかけ”を用意することが重要になります。


担当者の心理:「話しかけて断られたくない」

一方で、ブースに立つ側にも声をかけにくい理由があります。
特に経験の浅い若手担当者やインターンの場合、

  • 「何を話せばいいかわからない」
  • 「無視されたらどうしよう」
  • 「他の人はうまくやってるのに、自分だけ浮いてる気がする」

といった不安を抱えている方も少なくありません。

こうした心理的ハードルは、「声かけ=営業トーク」と思い込んでしまうことが一因です。
ですが実際は、展示会での声かけは“会話のきっかけづくり”に過ぎません
最初から売り込もうとせず、「通りすがりの来場者に自然に声をかけてみる」くらいの軽やかなスタンスでいることが、結果的に会話を広げる第一歩になります。


自然な声かけの基本|意識すべき3つのポイント

「声かけの目的」を明確にしておく

展示会で来場者に話しかける際、緊張してしまう原因のひとつが「自分は何を伝えたいのか」が曖昧なことです。
なんとなく話しかけても、会話がうまく展開せず、相手も「ん?何が言いたかったんだろう」と戸惑ってしまうケースも。

まずは自分の中で「声かけの目的」を一言で整理しておくことが大切です。

たとえば:

  • 「この製品を知ってもらう」
  • 「興味を持ってもらえそうか、反応を見たい」
  • 「名刺交換して、後日フォローにつなげたい」

など。目的がはっきりしていれば、言葉選びやトーンも自然と定まり、相手にも誠実な印象を与えやすくなります。

ここで意識したいのは、“売るためのトーク”ではなく**「相手との接点をつくるための声かけ」**だということ。
第一声で売り込む必要はありません。まずは会話を始めること、それが最優先です。


「質問形式」で話しかける

展示会での第一声としてもっともおすすめなのが、質問形式の声かけです。
なぜなら、質問には「相手が反応せざるを得ない」効果があるからです。

たとえば、次のような違いを比べてみてください。

  • ❌「こんにちは、弊社は●●というサービスを…(一方的な説明)」
  • ✅「●●って聞いたことありますか?」
  • ✅「このテーマ、関心おありですか?」

このように質問形式を使うことで、“Yes/Noで答えられる”簡単な返答ハードルを設定できます。
話しかけられた相手も自然と口を開きやすくなり、結果的に会話がスタートしやすくなるのです。

「質問は会話のエンジン」。これは展示会に限らず、あらゆる接客や営業の現場でも共通する鉄則です。


「展示物や来場者の動き」に合わせる

もう一つ、自然な声かけをする上で有効なのが、“その場の状況”に合わせたアプローチです。
具体的には、以下のようなきっかけをつかんでみましょう。

  • 来場者が展示物をじっと見ている
     →「そちら、最近リニューアルした製品なんですが…」
  • 資料を手に取った
     →「実はその資料、人気No.1なんですよ」
  • ブースの前で立ち止まったけど、入ってこない
     →「中、少しだけご覧になりますか?」

これらはすべて、「相手の行動」にフックをかけた声かけです。
不自然さがなく、相手の関心を汲んだアプローチになるため、断られる可能性もぐっと減ります

また、事前に「よくあるパターンと、それに合った声かけ例」を準備しておくことで、現場でも落ち着いて対応しやすくなります。


そのまま使える!展示会の声かけテンプレ集

展示会の現場では、「どんな言葉で話しかければいいか」が明確でないと動き出しづらいもの。
そこでこのセクションでは、そのまま使える“第一声”テンプレートを、パターン別にご紹介します。

  • 会話のきっかけに困ったとき
  • 来場者の動きに合わせて
  • 困っていそうな人への声かけ
  • 混雑時やすれ違いざまに

など、状況に応じて使い分けられるフレーズを厳選しました。


興味を引く系:「●●にご興味ありますか?」

まずは「興味ありますか?」と相手に問いかける王道パターンです。
こちらから一方的に話し出すのではなく、相手の関心に応じて会話を始められるのがポイント。

使えるフレーズ例:

  • 「●●(製品名・テーマ)ってご興味ありますか?」
  • 「いま注目されている●●についてご紹介しているんですが、少しだけお話ししてもよいですか?」
  • 「この分野って、最近ご相談多くないですか?お困りごとあります?」

こうした問いかけは、「見ている側の興味」を引き出すきっかけになります。
迷っている来場者に自然に声をかけたいときにおすすめです。


観察から入る系:「スマホで撮っていただきましたが…」

次に、相手の行動に合わせた“観察ベース”の声かけです。
不自然さがなく、「見てたので少し話す」くらいのカジュアルな導入ができます。

使えるフレーズ例:

  • 「いま、写真撮っていただきましたが、ご案内しましょうか?」
  • 「そのあたり、けっこう皆さん気になるみたいで。ちょっとだけご紹介しますね」
  • 「じっくり見ていただいてありがとうございます。こちら、特に人気なんです」

こうした観察ベースの声かけは、「ちゃんと見てくれているな」という信頼感にもつながります。


困ってそうな人向け:「ご案内必要ですか?」

立ち止まって資料を眺めている、視線がキョロキョロしている…。
そんな「ちょっと戸惑っている」来場者には、サポート姿勢を示す声かけが効果的です。

使えるフレーズ例:

  • 「何か気になる資料があればご案内しますよ」
  • 「もしわかりにくかったら、お気軽に聞いてくださいね」
  • 「ご説明しましょうか?ほんの1〜2分だけでも」

「売り込み」ではなく「お手伝い」をする姿勢を示すことで、相手の警戒心をやわらげることができます。


混雑時でも有効:「気になる資料があればお持ちくださいね」

混雑時や、すれ違いざまなど、ゆっくり話しかける余裕がないシーンでは、一言メッセージ系の声かけが便利です。

使えるフレーズ例:

  • 「よかったら資料だけでもお持ちくださいね」
  • 「あとで見返せる内容になってますので、ぜひどうぞ!」
  • 「何か気になるものがあれば、いつでもお声がけください」

このように“引き止めない一言”を添えるだけでも、印象に残りやすくなります。
その後に戻ってきてくれるきっかけになることもあるので、「通り過ぎる来場者にもアプローチできる」大事なスタイルです。


会話を続けるコツと“切り返し”パターン

展示会でせっかく話しかけたのに、「あ、そうなんですね…」で終わってしまった。
そんな経験はありませんか?

第一声がうまくいっても、そのあとの会話展開で詰まってしまうと、名刺交換や商談のチャンスを逃してしまう可能性があります。

このセクションでは、“一言で終わらせない”ためのコツと、よくあるシーン別の切り返しパターンを紹介します。


「一言で終わらない」ための展開例

来場者の返答が「はい」「ああ、そうなんですね」で終わってしまうと、会話が続きません。
そこで有効なのが、「リアクション+追加質問」のセットで返す方法です。

具体的な展開パターン:

  1. 「●●って聞いたことありますか?」
     →「ああ、少しだけ…」
     → 「お詳しいんですね!ちなみに、導入はもう検討されてるんですか?」
  2. 「この資料、ご覧になったことあります?」
     →「いや、初めて見ました」
     → 「ちょうど最近アップデートしたばかりでして。皆さん何に興味持たれるか知りたくて…見てみませんか?」
  3. 「ご案内しましょうか?」
     →「あ、大丈夫です」
     → 「承知しました!ちなみにどのあたりにご興味あるかだけでも教えてもらえたら参考になります」

ポイントは、「会話を終わらせない意思表示」。
無理に引き止めるのではなく、相手の情報を引き出す姿勢が鍵です。


「相手の業種・役職」を探る聞き方

来場者の興味関心をつかむには、「どんな会社で、どんな立場か」を自然に探るのが効果的です。
ただ、いきなり「お勤め先は?役職は?」と聞くのは少し唐突。
そこでおすすめなのが、**「文脈を使った聞き方」**です。

使える質問例:

  • 「ご紹介している内容って、どちらかというと企画部門や営業の方向けなんですが…お立場的に近い部分ありますか?」
  • 「お仕事の中で、こういった仕組み使われることってあります?」
  • 「もし社内で導入の検討があるとしたら、どんな部署が関わりそうですか?」

こうした聞き方であれば、相手の状況や課題感を探りつつ、ヒアリングがスムーズに進みます。
それが結果的に、ニーズのある層かどうかを判断するヒントにもなります。


「離脱されそうな時」のフォロー例

話の途中で「すみません、他も見て回りたいので…」と離脱されそうなとき、焦ってしまいがちですが、ここにも“次につなげるチャンス”があります。

フォローに使えるフレーズ例:

  • 「ありがとうございます!資料だけでもお持ちくださいね。後ほど気になったらいつでもどうぞ」
  • 「よろしければ名刺だけでも…後日ご説明資料をお送りしますので」
  • 「ちなみに今日の午後や明日、少しお時間取れそうなタイミングってありますか?」

一番避けたいのは、バツが悪そうに「わかりました…」と終わってしまうこと。
相手が離れる瞬間に、“軽く・気持ちよく次のアクションを促す”ひと言を添えることで、商談の芽を残すことができます。


まとめ|声かけのハードルは「慣れと準備」で乗り越えられる

展示会での声かけは、多くの若手担当者にとって緊張や不安の種になりがちです。
ですが本記事で紹介してきたように、

  • 来場者心理を理解し、
  • 自然な第一声の型を持ち、
  • 状況に応じた切り返しを準備しておく

──これらを押さえれば、「声かけ=苦手なこと」ではなく、成果につながる“会話のきっかけづくり”と捉えられるようになります。

特に、今回ご紹介したテンプレートや質問形式は、展示会の現場で何度も実践され、改善されてきたフレーズばかり。
まずは「一言だけでも声をかけてみる」ことから始めてみてください。

声かけの成功体験が1つあるだけで、次のアクションはぐっと楽になります。
そして最終的には、商談・受注につながる接点を生み出すスキルへと成長していきます。


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著者プロフィール
所長

BtoBマーケティング研究所の管理者です。
某メーカーのインハウスマーケターとしてマーケティング施策全般の企画、実施を担当中。
日々勉強中・・・

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