低予算で効果を最大化させる展示会ブース装飾

展示会

展示会におけるブース装飾の目的

展示会出展を行う企業は必ず行わなければならないブース設営、その中でもブース装飾のポイントを紹介します。

このポイントを押さえてブース装飾を行えば、一生懸命考えた出展コンセプトを来場者へ伝えることができる可能性が高まり、来場者数アップにつながります。

この記事では特に中小企業の展示会出展にスポットをあて、1小間または2小間で出展する場合のブース装飾を想定しています。
少ない小間数でも展示会の効果を最大化させることができるブース装飾を実現しましょう。

BtoB企業のブース装飾 3大パターン

展示会のブース装飾には大きく分けて3つのパターンが存在します。

木工ブースで作る

まずは木工ブースで製作を行うパターンです。

木工ブースのメリットは、自由度の高いブース装飾が可能になる点です。
ブランディング目的で出展する場合や、ブースにも費用をかけてこだわりを見せたい場合などに適しています。

一方で、ブース装飾に係る費用がシステムブースに比べると高額になるケースが多く、出展にかかる費用が高くなってしまうことがデメリットとして挙げられます。

システムブースで作る

次にシステムブースで製作を行うパターンです。

システムブースは、展示会の主催者および施工業者があらかじめ用意した金属製の什器やパーツを組み合わせて制作するものです。

システムブースのメリットは、自由度とコストのバランスがよく、コストパフォーマンスに優れているという点です。
木工ブースと比較すると自由度は劣りますが、様々なパーツがありますのでシンプルなブースであればシステムブースで問題なくブースを完成させることができるでしょう。

デメリットとしては、システムブースの部材は使いまわしとなるため、木工ブースに比べると高級感は薄れてしまうため高級感を出すようなブランディングをしている企業は注意が必要です。

パッケージブースで作る

次にパッケージブースと什器レンタルで製作を行うパターンです。
一部の展示会では出展申し込み時に、パッケージブースを申し込むことができます。

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図1:パッケージブースのイメージ

パッケージブースとはブース運営に必要な最低限の装飾を行ったブースのことです。

一般的には

  • 壁面システムパネル
  • スポットライト
  • パンチーカーペット
  • 社名サイン
  • パラペット
  • カウンター1台

上記がセットになっているものが多く、この記事で紹介した3つの装飾パターンの中で一番安価なものとなります。

図1はデフォルトのイメージになりますが、什器を追加でレンタルし配置を工夫することでブースの形を変化させることも可能です。

ブース装飾にかけるコストは集客力に直結する?

ここまでは展示会のブース装飾における3つのパターンを紹介しました。
出展社の皆さんが気になるのは、

「結局どのブースが集客しやすいの?」

ということではないでしょうか。

結論から言うと、

「どのブースでも集客できます」

です。

先ほど紹介した3つのブース装飾パターンで大きな差が出るのは、見た目の表現力です。
この表現力はブランディングを目的とした出展であれば一定のレベルやブランディング規定を満たさないといけない場合もありますが、表現力と集客力は比例しません。

では集客力の高いブースを作るにはどうすればよいのでしょうか?

「集客力を高める」ブース装飾のポイント

木工ブース、システムブースのどちらを使った場合でも下記のポイントを押さえていれば集客力の高いブースができると考えています。

  • いい角小間を確保する
  • ソリューションがひと目でわかるブースにする
  • 呼び込みを工夫する

いい角小間を確保する

展示会のブース運営において、もっとも重要だと考えているのは小間位置です。
特に出入り口付近メイン導線に面した場所は人の往来が激しく、高い集客力が期待できます。

とはいえ、上記のような小間位置は大規模小間で申し込みをしている企業が優先されるケースが多く、1小間または2小間で申し込みをしている企業は入ることができません。

それでは中小企業が1小間、2小間で出展する場合は打つ手なしかというとそうではありません。
少ない小間数で出展する場合でも角小間を確保することができます。

角小間はブースの数に関わらず指定できることが多く、2小間申し込んでおけば角小間を確保することができる展示会がほとんどです。
※1小間で角小間指定できる展示会もたくさんあります。

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1面開放ブース(角小間指定なし)
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2面開放ブース(角小間)
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3面開放ブース(角小間)


角小間にブースを構えることで得られるメリットは、2つの通路に面しているため1面開放のブースに比べて集客が期待できるという点です。
また、2面開放または3面開放のブースとなるため、製品展示をする場合などスペースを広く使えるようになります。

1面開放、2面開放、3面開放のブースイメージを載せていますが、解放面が多いほど圧迫感が軽減されていることがわかると思います。
立ち寄りやすい、入りやすいという要素はブース運営にとって非常に重要な要素です。

角小間の申込は、各種出展プランのオプション項目として角小間指定料金が設定されている場合が多く、申込時に申告をする形となります。

ソリューションがひと目でわかる装飾

2つ目のポイントは、何を展示しているブースなのかがひと目でわかるブースにするということです。
来場者には大きく分けて3つのカテゴリが存在します。

  • 事前に下調べをして自社ブースを目指して来場した人
  • 他社ブースを目指して来場している人
  • 特に目的もなく来場している人

1の来場者についてはブースのどこかに社名が記載されていれば、ぶっちゃけ何もしなくてもブースに訪れてくれます。
しかし、このカテゴリに属する来場者は会場全体の来場者からするとごく一部です。

展示会出展によってより多くの名刺を獲得、リードを獲得するためには来場者の大多数を占める2、3がいかに自社ブースに興味を持ってもらえる装飾を行うかが重要だと考えています。

その中でもまずは2のカテゴリ、他社ブースを目指して来場している人に対して自社ブースへの来場を促すポイントについてです。

2は他社ブースを目指しているということで、来場時点で自社ブースには興味がない、あるいは存在を知らないものの実際に話してみると自社ソリューションがマッチするかもしれないカテゴリとも解釈できると考えています。

過去に私が企画、運営を行った展示会で自社ブースの前を通過する来場者の動きを観察してみると、自社ブースに目を向けてくれる時間は平均でおよそ2秒程度でした。

この2秒という短い時間でブースの前を通過する来場者に対して、
「自分に関係がある商材かも」
「課題解決につながる商材かも」
「なにこれ?」

というような感情を抱かせる必要があります。

来場者の視線をさらに細かく観察すると、その視線は展示されている製品と壁面のキャッチコピーに向いていることがほとんどでした。

こういった視線の動きを踏まえると、展示されている製品と壁面には自社ソリューションが2秒で伝わるコンテンツを用意する必要があります

壁面パネルのキャッチコピー、展示台の見せ方の重要性は言うまでもありません。

この記事ではキャッチコピーの決め方や効果的な製品展示の方法については割愛しますが、しっかりと時間をかけて装飾準備を行うことをお勧めします。

呼び込みを工夫する

次に3のカテゴリ、特に目的もなく来場している人に対して自社ブースへの来場を促す方法です。

このカテゴリに属する人は、具体的な課題が顕在化しておらずなんとなく来場しているため2に比べると視線の動きはブースに向かない傾向があります。

いくら秀逸なキャッチコピーを用意しても、見てくれなければ何の意味もありません。しかし、3については見てくれなくて当たり前くらいの気持ちで対応を行う必要があります。

では視線をブースに向けてくれない来場者に対して、どのように自社ソリューションを2秒で伝えるのか。
それはブース対応スタッフによる呼び込みです。目から入ってくる情報は見る来場者の意思で取捨選択できますが、耳から入ってくる情報は選ぶことができません。

呼び込みスタッフには2秒で自社ソリューションに興味を持たせる呼び込みフレーズをしっかり用意しておくことが重要です。

展示会に行ってみると、「こんにちは~」と声をかけられることがよくあります。
ここまでこの記事を読んでくださった方は、この呼び込みがいかにもったいないかを感じていただけているのではないかと思います。

自社商材のペルソナとして設定した人が、興味を持ってくれる可能性がある呼び込みフレーズをしっかりと検討し、呼び込み担当全員が同じクオリティで実施できるよう事前準備を行いましょう。

まとめ

この記事では展示会出展におけるブース装飾、そのなかでも1小間2小間で出展する場合のポイントを紹介しました。

大規模小間には華やかさという点で劣ってしまいますが、ポイントを押さえてうまくブース設営を行えば大規模小間よりもリード獲得単価を抑えてたくさんの名刺を獲得できると信じています。

この記事が皆さんのブース装飾に少しでも役立てばうれしいです。

著者プロフィール
所長

BtoBマーケティング研究所の管理者です。
某メーカーのインハウスマーケターとしてマーケティング施策全般の企画、実施を担当中。
日々勉強中・・・

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